2009-05-25

クロニクル 千古の闇 復讐の誓い

毎年春になるとドキドキしながら待っているクロニクルの最新刊を読みました。
今回はタイトル通り復讐を誓った主人公トラクが「復讐」という負のエネルギーに支配されてしまう。
相変わらずプロローグから暗い!^ ^ ;
そこがたまらなく好きなのですが〜

今回は特に現代の人間社会への皮肉のような内容で、クロニクルの良いところ「人間がただの動物で、森の一部だった頃」から少し「人間独特の道」に入っていってしまいます。
人間は忘れてはいけない物をたくさん忘れて進化してきた。
自然から離れすぎた・・・と改めて考えさせられます。
今たくさん問題を抱えているのは、この星の、この大地からかけ離れた暮らしを作って来た事に原因があるのだと思う。
人間は自分が何を食べたらいいのか、スーパーやレストランに行かないとわからない。
それも間違った食事が正しいとされていたり。
私からしてみたら「グルメ」ってちっとも良いステータスに感じられません。
自分の身体が本当に必要な物だけを食べる。
だけど最近の人たちはそれが何なのかがわからなくなっている。
そして病気が増えている。
これも全て自然から離れすぎた生活の代償なんだろうと思う。

いつもクロニクルを読むたび食について考え直させられてきた。
食べれる事に感謝して、食べさせてくれた森に感謝して生きているこの物語の登場人物たち。
人間はもっと動物的になるべきだと強く思わされます。
今回は特に強く人間独特のこの暮らし方にマイナスな意識が強くなりました。


それにしてもクロニクルシリーズはファンタジーとしてショップに並んでいるのに違和感を感じます^ ^ ;
出版社もファンタジーとして売り出したかったわけではないのにね・・・
確かに「天地万物の精霊」という存在があったりするけど、全然ファンタジーではないです。
主人公の「生霊わたり」という能力も、魔術師が使う魔術も、魔法とか超常現象とかじゃなく昔のシャーマンがしていたような事。
龍もモンスターも出てきません。
最近多いファンタジーだろって読んでない方には是非読んで欲しいです。
ファンタジーではありません(笑
著者ミシェル・ペイヴァーが作る話の流れは少し独特ですが、それが本当に読んでて止まらないテンポで、あっというまに引き込まれてしまいます。
未見の方は是非読んでみて欲しいです。
全6巻で、復讐の誓いは5巻です。
あと一冊で終わってしまう〜寂しいけれど、長ったらしくなくてちょうど良いです。

(ハ○ポタ3冊目で飽きてしまった私。昔のファンタジーの二番煎じすぎて・・・)


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